結婚以来、30年以上義両親と同居させていただき、4人の両親を見送らせていただきました。
介護は突然やって来るので、自分には無関係と思っていても、介護する側か、介護される側か、いつかは誰もが通る道なのかもしれません。
「大変!」というイメージだけがありますが、ありがたい事も沢山ありました。
家族のコト、って知っているようで意外と、知らない話ってあるものなのかもしれません。
ウチは家族中で、誰もお酒を飲まない家庭だったので、余計に飲んで話す、という事もなかったからかもしれませんが。
義母も実母も認知症になって、色々なコトがわからなくなってしまったりしたけれど、自分が子供の頃の事は覚えていて。
唐突に、小さい頃の話を語りだすこともありました。
それに、訪問看護に来てくださる看護師さんなども、よく色々と声をかけてくださり。
義父とのなれそめ話など、誰も聞いたことのない話を、看護師さんが聞いていたりして、ビックリした事もありました。
ケアしてくださる看護師さん、施設のスタッフさんの方が、もしかしたら家族よりも昔のハナシなどご存じの事が多いのかもしれない?とも思ったりした事もあります。
スタッフの方と、家族のコミュニケーションがとれていれば、「こんなお話聞きましたよ」などの情報共有も出来るかもしれませんね~。
実母から聞けて良かったはなし
義母を在宅でお見送りした後、(お見送りエピソードはこちら)あまり間をおかずに、実母をウチにお迎えしました。
特養40人待ちで、ショートスティをロングに繰返しているところでした。(そんなワザがあるとは、ビックリでしたが!)
お見送りした義母は認知症で、最期は寝たきりの要介護5だったのですが、実母は動ける認知症の要介護5でした。
しょうじき、歩けるし、自力でご飯も食べれるのだし、要介護5と言ったって、寝たきりよりは良いのでは~?と思っていました。
けれど、甘かった~~。
「寝たきり」はありがたかった・・・。
動かないので居なくなったりしないし、ベッドからも落ちないし、ちょっと留守することは可能ですもの。
動ける認知症で、もはや要介護5認定くらいになりますと、1歳過ぎの走れるいたずら満載の赤ちゃんが、大人になった感じで。
一時も目を離すことができません・・・しかも、夜も寝ません・・・★
本人が一番「浦島太郎状態」で、不安なのだとは思いますけれどね。
ともあれ。
母は、父のいない母子家庭だったせいか、案外厳しく育てられていたようで、それに昔の人の事もあって、ハグとかそういうスキンシップをしないで育ったようでした。
本人もずっと、「そういうベタベタするのはキライ!」って言ってたんです。
わたしは年子で姉になってたコトもあって、淋しい、もっと甘えたかった、という気持ちを大人になってもずっと引きずっていたのですよね。
ウチで母を引き取ってから、或る時、とつぜん、今まで聞いたことのないおばさんの話をし始めて。
京都のおばちゃんちに泊まりに行くのが、とても楽しみで嬉しかった、「よう来たな~」って抱きしめてくれたから。
って言うのですね。
キライって言ってたのにね?・・・と、思ったけれど、その時に、そうか、って気づいたわけです。
本当は、寂しかったのだ、ってね。
それから、なるべく、母を抱きしめてあげるようにしたんです。
そうしたら、と~っても喜ぶんですよ。
「嬉しい~!」って抱きしめ返してくれるんです。
それでね、なんとなく思ったことは。
母も義母も、認知症になってしまったけれど、それが必要だったのかもしれないな~ってコトでした。
義母は7人兄弟の真ん中っ子で、小学校卒業と同時に、東京に奉公に出ていました。
多分、義母もちょっと寂しく、育っていたのではないでしょうか。
でも親孝行したくて、お母さんを助けてあげたくて、自分から奉公に行くと、言ったのだそうです。
どちらの母も、たくさん我慢して過ごしてきたのでしょうね。
認知症になって、やっと「本音」が言えるようになった、のかもしれません。
もしかしたらね、人生が大きなパズルだとして、ピースを全部埋めないと卒業できなくて。
赤ちゃんの頃に「全部うけとめてもらう」みたいな経験の部分のピースが抜けていて。
いま、認知症になって赤ちゃんみたいになって、それでも全部「受け止めてもらう」経験を必要としてるのかもしれない?!って、思ったんですね。
そして、前世とか前々世とかで、逆の立場だったかもしれないワケで。
今世では、私がお返しさせてもらって、プラマイゼロになるのかもしれません。
と、勝手に思えば。
誰を恨むことも、何故自分だけが?と思うことも、責めることも必要なくって、ただ、させてもらえてありがとう、と言えるのではないかな?と思ったわけです。
相手を変えることはできません。
増して、介護する相手は「出来なくなって」いるわけですし。
変えられるのは、「自分だけ」なので、如何に自分が苦しくなく、ありがたく楽しく介護できるか?という「自分の見方を変える」ことだけ。
ともあれ、介護させてもらっていたお陰で、そんなことを考えるようになりました。
すべてのコトは、必要、必然、ベスト!
何が起こったとしても「ありがたい」ことは探せるのです。
お陰様で、だんだん「ありがたい」「良かった」探しが上手になりつつあります。
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