日本は、世界一の老人大国に、もうとっくに突入しています。
と、いう事は「介護」は他人事ではありません。
もしかしたら、一年ごとに状況も変わってきてしまうかもしれませんが、それでも「知る」と「知らない」とでは、対策が大きく違ってくると思います。
わたしの経験も、もう「古く」なってしまうのかもしれませんが、あまりさび付かないうちにご紹介したいと思います。
知らないと使えなかった介護保険
義父が亡くなる数年前、ある朝右側が全部不自由になっている事に気づき、あわてて病院にお連れしました。
軽い「多発性脳梗塞」と言われて、その時はそのまま帰宅したのですが、「まぁ手すりでもつけて」との説明だけでした。
そして当時元気だった義母が、速攻で大工さんにたのんで、家中に手すりをつける工事をしました。
義父は、介護認定などうけていなかったし、私も介護保険のことは、存在くらいしか知らない時。
病院で、「介護保険」の話が出たら、「誰か、ケアマネージャーさん等に相談してみる?」とか、って案もあったのかもしれません。
大工さんも、昔ながらの地元の方で、たぶん介護の住宅改修の事はご存じなかったようで、アルミパイプで手すりをつけてくれました。
改修の1年後までは、介護保険で1~2割の負担で住宅改修の工事ができたのだと知ったのは、義父が亡くなった後のことでした。
当時の医師も、大工さんも、介護保険のことをちゃんとはご存じなかったわけです。もちろん、義母や私もです。
なので、一応「知っておく」って大事なことだと思います。
もちろん、予算が問題なく出せて、介護保険のお世話にならずに自費でOK!という人が沢山いた方が、国家予算的には、良いわけでもあるのですけれどね。
なので、あえて自費で、という事も、尊いことではあります。
ただ、結局保険というのは、「自己申告」が基本なのだと思われます。
周りの誰かが、気づいて声をかけてくれれば、良いですが、遠くに離れている老いた両親だったり、一人暮らしで、何年も会っていない家族だったりすると。
知らないうちに、認知症になっていたり、足腰が不自由になっていたり、することもあり得ます。
家族のサポートは、できることならぜひ必要
義父母とはずっと同居していたので、様子が違うことに気づけましたが、老夫妻だけで住んでいたら、病院に行っても、よくわかっていなかったように思います。
なぜなら、義父母が通院した時、車で送迎したのですが、二人で大丈夫だから、と言うので一旦帰宅しました。
そしたら、「若い人来てください」と病院から連絡があったのです。
その時、一緒に医師の説明を聞いたのですが、80歳過ぎの両親は二人とも、先生の説明の半分くらいしか理解していない事が発覚しました。
いつもやっている普段の日常の事は、問題なく出来て、会話も行動も問題なくても。
医師の説明のような、若い人でも専門用語使われてわからなかったりする事は、高齢になると、余計わかりにくいのだと思いました。
実家の父も、いつも一人で受診していましたが、ある時から、私も一緒に診察室に入るようにしたら、医師に言われている事を、自分の都合の良いようにしか聞いていませんでした。
しかも、老人医療に特化しているような医師ならば、声も大き目に、ゆっくり喋ってくださるかもしれませんが・・・
大概の医師って、なぜかボソボソ喋られたりなさいませんか?
なので、80歳過ぎくらいの家族を病院にお連れした時は、できる事なら一緒に診察室に入れていただく事をおすすめします。
ご自分がその年齢になられた方は、申し訳ないから、大丈夫だから、とか思わずに、ぜひ若い方に付いていってもらってください。
病院の事だけでなく、介護保険の手続きも、実際は結構煩雑です。
しょうじき、老々介護だったら、これ出来るのかしら?・・と思う事が沢山ありました。
介護サービスには、わからない事が沢山あり、契約もいちいち、重要事項の説明があり、契約書に割り印などの手続きもあります!
ともあれ、困ったことは役所の窓口に相談してみる事です。
市役所などが近くなくても、きっと、近くに「地域包括支援センター」という窓口があるはずです。
そこには、ケアマネージャーさんが常駐されてるはずですし、介護の困りごと以外でも、専門家につなげてくれます。
または、地域に民生委員さんも全国市町村に必ずいるはずなので、声をかけてみましょう。
ケアマネージャーさん
介護サービスの色々のこと、手続きなどは、ケアマネージャーさんが、色々考えて教えてくださり、手配もしてくださいます。(ちなみに無料です!)
担当があって、「要支援1、2」の時は地域の「包括支援センター」のケアマネージャーさんで、「要介護1~5」に介護度があがると、「居宅介護支援事業所所属」のケアマネージャーさんに担当が変更になります。
要支援から要介護に変わると、担当のケアマネさんが変るし、老人ホームなどの施設に入所すると、今度はそこの施設所属のケアマネさんが担当になります。
とっても気に入っているケアマネさんにお世話になっていましたが、母は最終的には、介護施設にお世話になり、必然的にケアマネさんが変更になってしまったので、とても残念ではありました。
私が出会ったケアマネージャーさんたちは、皆さんとても優秀でした。
・・・が、ケアマネさんも人の子ですし、色々事情もおありでしょう。
当たりはずれ、と言っては申し訳ないのですが、友人のところのケアマネさんはパートで週に何日かだけの勤務だったそうで。
なかなか、連絡をもらえないと言っていました。
どうしても合わないケアマネさんの場合には、変えてもらう事もできるようです。
在宅で「要介護」の場合には、ケアマネージャーさんを選べるのだと言われました。
引っ越しで、市を変わる時に、その時のケアマネさんにそのまま継続していただける事ができず、引っ越し先の市のケアマネさんを探して、と言われたのです。
「要支援」の場合は、地域で担当があるので、自動的に決まるのですが、その時義母は「要介護」だったのです。
ネットで探せないかしら?と言われたけれど、わからなかったし、まだ引っ越す前に、すぐ引き継いでくれる人を探さないと、レンタルのベッドの手すりが借りられません。
当時の義母は、手すりが無いと起き上がれないので引っ越し翌日からの必需品でした。
それで、レンタル用品の担当の方に聞いてみる事にしました。
さいわい、その会社は引っ越し先の市にも支店があり、そちらからケアマネさんを紹介してもらう事になりました。
そのお陰で、紹介していただいたケアマネージャーさんが、本当に素晴らしい優秀な方だったのです。
いつも私は運が良いので(と、決めているので・・自己紹介ご参考まで)ちょうど良いときに、ちょうど良い方に出会うのですが、本当にケアマネさんには何から何までお世話になりました。
ただ、今考えてみると、こちらも心を開いて、我が家の問題を、色々ケアマネさんにお話ししていました。
家族のことを相談した訳ではなくて、今こういう状態なのです~という事を、隠さずにお話してあったことが、良かったのではないかと思います。
お陰さまで、長男のお仕事も、今の私のお仕事も、結局、そのケアマネさんから紹介していただいたのです。
日本人はつい「人のお世話にはならない」「迷惑はかけない」ことを美徳とするようなところがあると思います。
が、死ぬまで「誰にも世話にならずに」生きる事は「無理」ですよね?
すでに、生まれた時点で、誰かのお世話になって大きくなってきています。
以前、どこかの国のコトワザに「人に迷惑をかけずに生きることは出来ないのだから、人にかけられる迷惑も許してあげなさい」という言葉があるのだと聞いた事があります。
これって、子育てするにも、介護するにも、あてはまるコトバではないかな?と思っています。
そう思うと、とても精神的に、楽になりますよ。
私がお世話になった「エースをねらえ!」の作品の中に「人は受けた恩を、その人に返すことは出来ないから、次の人にまわしていく」みたいなセリフがありました。
両方の両親に、沢山お世話になりましたし、介護の世界の皆さまにも、大変お世話になりました。
だから、介護が終わったいまは、色々地域のお役を引き受けたり、こんなブログを発信したりして、私に出来る事を、お返ししていきたいなと思っています~。
どちらにせよ、地域の高齢者センター、市町村の窓口で、まずは相談してみる事をおすすめします。
出会ったご縁のある方が、きっと良い方でありますよ!(と、決めておくと、良い方に出会えると、私は信じて過ごしてきました★)
読んでいただき、ありがとうございます。
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